はじめに
2026年2月16日、オンライン家庭教師大手「メガスタ」や「一橋セイシン会」を運営する株式会社バンザンが破産手続きの開始決定を受けました。
私自身、学生時代には一橋セイシン会で「家庭教師(ご家庭に行くスタイル)」、そして昨年まではメガスタで「若手プロ講師」として指導にあたっていました。
本部の経営事情に直接関わる立場ではありませんでしたが、現場で生徒と向き合ってきた一講師として、
今回のあまりに無責任な幕引きには強い憤りを感じています。
何より、受験という人生の岐路に立つ子供たちの想いが、大人の経営不手際によって踏みにじられたことが悔しくてなりません。
概要や体験をまとめてみました。
1. 【概要】突如として奪われた学習の場
2026年2月13日、バンザンはホームページ上で全事業の停止を突如告知しました。
負債と被害:負債額は約14億2100万円。債権者は生徒約1800名を含む3000名以上にのぼります。
現場の混乱:事業停止の通知は、現場の講師や保護者へも一方的なメールで届きました。1月分の報酬が未払いだった講師に対し、会社側は「システムの故障」という言い訳を繰り返していましたが、その実態は末期的な資金ショートだったのです。
(引用:Yahooニュース)
2. 禁じ手とも言える「学費1年分前払い」の勧誘
今回の倒産劇の裏で、保護者の間ではある「異変」が囁かれていました。
「『1年間の学費を払えば10%オフ』というメールが来ていて、ちょっと怪しいなと思っていた。経営状況がこんなに悪いのに放置していたことに関しては、本当に腹が立ちます。今から大切な時期の子どもたちが一番かわいそう」
> (メガスタを利用していた保護者の声)(引用:Yahooニュース)
経営状況が悪化していることを隠し、直前まで「割引」を餌に高額な前払金を募っていたようです。
資金繰りに苦労している様子が垣間見えますね。
3. 現場で感じていた「歪なコスト構造」の違和感
講師としてサービスに携わる中で、常に感じていた「お金の使い道」への疑問がありました。
AI監視システムへの過剰投資
授業中の表情や発言量をAIが解析し、「手元を映しているか」まで厳格にチェックするシステム。
親御さんの安心のためとはいえ、その膨大なシステム開発費・維持費・ストレージ費用がかかっていたように感じます。
本サービスに大きな需要があったのか疑問に感じていました。
西新宿の「立派すぎる」本社
派遣やオンラインが主体の事業であり、生徒が通うわけでもないのに、西新宿の一等地に豪華なオフィスを構えていました。
本社のあった住友不動産新宿オークタワー(引用:住友不動産のオフィス)
その賃料を「授業料の引き下げ」や「講師の待遇改善」に回すべきではなかったか、と当時から感じていました。
テレビCMも打っていましたし、派手な賃料・広告宣伝費を計上していたと感じます。
「中抜き」が多い
当時の記憶だと、生徒さんが支払う授業料が仮に8,000円だとしたら、講師の手元に入るのは3,500円程度。
じつに5割以上が本部に抜かれていました。その巨額のマージンが正しく使われていれば、これほどの負債を抱えることはなかったはずです。
保護者から高い授業料を徴収していましたが、講師の手元に入るお金も一般他社よりは少し良かった印象です。
その分、良い先生も多かったように感じています。
利用して良かった点だと思います。
肥大化した「本部正社員」の介在
バンザンでは「講師は教えることだけに専念し、生活面や志望校相談などは本部が対応する」という分業制をとっていました。
しかし、これが結果的に膨大な人件費を生み、現場を混乱させていたように思います。
オンラインの特性上、生徒は全国各地にいます。
その地域の細かい受験事情も知らず、日々の指導内容も深く把握していない本部社員が、なぜあえて間に入ってくるのか。
個別の事情を知らない人間が形式的な対応をする必要性は感じられませんでした。
生徒のことも細かく知らないですしね。
この辺りが合わず私は辞めてしまいました。
4. 1年半前から鳴っていた「警告音」
私が「おかしい」と感じた明確なサインがありました。
それは約1年半前(うろ覚え)、講師への報酬支払日が「20日払い」から「30日払い」へ延長されたときです。
支払日の延長は、資金繰りに窮している企業の典型的な行動です。
この時点で資金繰り厳しいのかな、と感じていました。
5. 最後に――学びを止めないために
現在、突然の閉鎖によって指導が途絶え、途方に暮れているご家庭がいらっしゃることと思います。
【学習継続の相談について】
私は昨年までメガスタで若手プロ講師をしておりました。
お困りのご家庭がいらっしゃれば、個人としてサポートをさせていただきます。
指導の質を担保するため、事前面談させていただきますが、微力ながら力になりたいと考えています。
最後に、非常に申し上げにくいことですが、ビジネス上の現実をお伝えしなければなりません。
今回の破産手続きにおいて、生徒皆様が支払った月謝や、講師皆様の未払い報酬が返還・支払いされる可能性は、極めて低いのが実情です。
ケースによっては1割あるかも、、期待はしないでください。
非情な現実ではありますが、会社側にはもう払うべきお金が残っていません。
皆様のこれまでの信頼と、受験に向けた大切な資金がこのような形で失われてしまったことに、ただただ同情の念を禁じ得ません。
皆様のこれまでの努力が、別の形で報われることを心より祈っております。